環境開発工業株式会社 Create the Future

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コラム

有好式 食品ロス削減術 Ⅰ

営業部 営業課 課長  有好哲二

前作の「山田式二酸化炭素削減術」に対抗するべく、私自身も食を通じた環境対策について記していこうと思う。ただし、これも山田のコラム同様、自分の都合の良い解釈であるということをどうかご理解いただきたい。
さて、私自身の人生に『食』ということは何よりも優先順位が高く、一番といっても言い過ぎではない。旅行然り、キャンプ然り、休日のドライブに然り、すべてにおいて「何を食べたいか」がその行動を決定づける。
今から数年前、聞いたこともない未知のウィルスが世の中に蔓延する以前、夫婦でポルトガルに赴いた。何故、旅行先をポルトガルに決めたのか・・
きっかけは、まさにポルトガル料理を食す場所も機会もないと気づいたからだ。
この時、ポルトガル以外にも候補地としてモロッコ、トルコも上がったが、タジン鍋やケバブ等は食べる機会も経験もあったことから選択肢から外した。
人生の後半戦を迎えた私たち夫婦は、勢いよく「せっかくだから行ってみるか!」という気持ちで旅行先を決めたのだ。
日本から20時間以上をかけてやってきたこの異国に対する印象は、まさしく歴史的風情があり、穏やかな雰囲気が漂う素敵な国であった。
そして、最大の目的である「食」はというと・・・
正直、私たち夫婦の味覚には合わなかった。ポルトガル料理の代表と言われるパステス・デ・バカリャウという干しダラのコロッケは塩辛すぎ、いわし料理も多数あったが、味のメリハリがなく薄い。
反対にお菓子類は以上に甘くて濃い。唯一美味しかったと言えるのは、パステル・デ・ナタというエッグタルトの原型にもなったタルトくらいしか思いつかない。
食を中心に行動を考えた結果がこれではという思いもあるが、異国の食文化を知る機会と、改めて日本の食文化の素晴らしさをて実感できたことは大きな成果だったと思う。

そして、コロナウィルスが蔓延してからの数年は、自粛や3密回避など、様々な行動制限がなされ、当然ながら旅行に行くことなんてもってのほかである。そんなことがきっかけで5年ほど前からブームに乗って始めたソロキャンプ。大人数でのキャンプは何度も行っているが、ソロキャンプに関してはまさに「食」中心。もちろん日常の喧騒から離れ、景色や澄んだ空気を味わうことも忘れてはいないが、それ以上の私の脳を占めるのは「何を焼くか?」「何を作るか?」である。当然これを満たすために費やしたアウトドアギアへの投資は、フライパンだったり、ナイフだったりと料理に関するものが多い。他のギアは安価で良さ気な物を選ぶが、調理器具にはお金を掛けている気がする…
そんな私のキャンプという概念を変えた過去の出来事がある。
「キャンプで何食べたい?」
きっと聞いてきた主は、バーベキューで焼きたいものを私に問いたのだと思う。しかし私はボケのつもりとダメ元でこう答えた。
「カツカレー」
当然、聞いて来た主から「出来るかっ!」と一蹴されると思っていたが、「わかった」と私の無茶な要望をあっさりと聞き入れた。
だが、キャンプしかもその時のキャンプの場所は海で7月末の夏真っ盛り。当日「出来るわけあるかっ」と突っ込みを期待していたが、バーベキューをみんなでやっている横で、その主は翌日の昼に食べるカレーの下ごしらえから煮込むまでを始めた。
そして、翌日の昼・・・海という場所にも関わらず、とんかつをどんどん揚げ、数十人分のカツカレーを作り上げた。その光景はキャンプというよりは炊き出し状態であった。
そんなキャンプを目の当たりにした私の目下の目標は、非日常的な場所と限られた調理環境でいかにめんどくさい料理を作るかなのだ。

そしてもう一つの趣味であるドライブ。週末、妻との時間が有ればたいていの場合、ドライブという名の食の探求に向かう。妻もありがたいことに食べる事が好きで、食の好みも近い。なので前に「食べたあれ食べたいよね」とか「こないだテレビで見たあれ食べに行こう!」みたいな感じで行き先を決める。
何故こんなに「食」へこだわるようになった理由は定かではないが、幼いころから母が色々な物を食べさせてくれたからだろう。好き嫌いもなく、食べる事自体が楽しみでメディアから入る食に関する情報はスムーズに記憶される。
そんな私が今も昔も最も嫌いなワードがある。
「食品ロス」
我辞書にこのワードは存在しないし、残さず出ている物は全部食べてしまう。もちろん我が家に賞味や消費期限がとうに過ぎた食品は存在しない。
しかし、消費者庁のWEBサイトによると、日本では、まだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」は523万tもあり、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料支援量の1.2倍に相当すると・・これだけの量を廃棄するまでの工程や使用しているエネルギーや労力を考えると単純な廃棄量を表すだけでは済まないと思う。
自分でも料理をする事も結構あり、ついつい大皿料理になりがちだが、これを残すと当然私の嫌いなワード「食品ロス」が頭をよぎるため、結果、自分の胃袋に収め「食品ロス削減」を実施する。
但し、自分自身には「肥満スパイラル=健康ロス」が生じ、ずっと食事を楽しむ為に健康で在りたいと思っている私自身を脅かす目下の悩みでもある。
(そろそろ毎日の作っている弁当の量を減らす努力をしてみようかなとは思っている・・)

そんな私がそもそもこの会社に入社した理由も「食」がきっかけだったかもしれない。

続く・・・