お知らせ
失敗したら改善すればいい
業務部 部長 中澤 嘉雄
どこからかミャーという声がする・・ふとクローゼットを開けると楽しそうに遊んでいる愛猫と目が合った。常に気を付けてるが、又愛猫をクローゼットに閉じ込めてしまった。どうしたって私の毎日にも失敗が存在する。ただし「失敗」の意味は環境開発工業に入ってから大きく変わった。
20年前、1日の回収業務を終えて帰社すると、私の机の上には伝言メモが積みあがっているのが常だった。「お客様からの連絡を伝え忘れていました」という同僚の謝罪だったり、「連絡欲しいと言ったのに!」というお客様のお叱りだったり。確かに私の携帯電話には着信が数件あったが、運転中や作業中でなかなか取ることができなかった。走り書きメモは雑すぎて、誰も読めなかったり間違っていたりする。お取引先様が増えるのに比例して、残念ながらトラブルも増えた時期だった。
間違いを防ぐためにはどうしたらいいか、私たちはこの成長痛ともいうべきバグにまっすぐ真摯に向き合い、部門の垣根を越えて何度も話し合った。そして考案されたのが「メール機能付き受注画面」。お客様から電話を受けたら顧客情報と共に該当車両にメールを送るためのボタンも画面に表示される。その当時は画期的だったシステムを当社オリジナルで構築した。今では当たり前のようにパッケージに組み込まれるようになったが、当社はその先駆けであった。
このように環境開発工業は、失敗を糧にしてきた。そう言えるのは「命日」がある会社だからに他ならない。8月21日付の渡辺が書いたコラムにある、あの「命日」だ。20年以上前のあの朝、新聞の一面に載っている写真は自分の後ろ姿だった。
会社の正門を横一面塞ぐほどの報道カメラ、
回収訪問するお客様と部下に対する申し訳なさ、
朝夕の地方報道ニュースで流れてくる見慣れた建物。
この日を境に、会社は大変な時を過ごすことになった。
一体何がこの事態を引き起こしたのか。要因も原因も一つではない。ひと言では表せない。
では、どうすればよかったのか。あの時もみんな良かれと思って行動していた。それでも何かを間違えた。慣れ?油断?思考の停止??全てを終えた時、私があの出来事から学んだのは「いつでも、どんなことでも、常に過ちは隣り合わせに存在している」ということだ。
毎日同じような繰り返しでも、一日として同じ日はない。以前自分が伺っていたお客様の状況も、月日が経てば変わる。それを心に刻み、過ちの可能性に敏感になること。たとえ間違って失敗しても同じ轍を踏まないこと。そのためには付け焼刃ではない、根本的な改善を図ること。
失敗したときはそれまでの延長線上で改善策を考えない。チームとして皆が新たな方法を考える。「どこでつまずいたのか?」「何か間違いやすいクセはないか?」大切なのは、良かれと思ってとった行動も疑うこと。全ての行動には落とし穴がある。つまり全ての行動にはまだまだ改善の余地がある。
そう考えて行動しても、きっとこれからも大なり小なりの失敗は避けられない。それでも私たちは、その「失敗」もエネルギーにして前に進んでいく。
昨今コスパやタイパなど何もかもが目まぐるしく変化するご時世だが、みんなで改善し焦ることなく身の丈にあったスピードで前に進める場だと信じている。
・押し付けない
・皆の話をよく聞く
・色々な方向から物事を捉える
これらは、あの「命日」といわれる大嵐を体験した者が次の世代へつなげるために心掛けている事。そしていまは全員が、一つの方向だけではなく違う角度からも考えられるように引き継がれている。命日を大切にする環境開発工業にはそんな文化が根付いている。