お知らせ
至福に向かう費用対効果
資源リサイクル部 次長 津田 雅裕
平均寿命80歳・・その折り返し地点を私はとうに過ぎた。気がつけば3人の子供たちもそれぞれが親となり、私は正真正銘のジジイとなった。しかし孫バカではない。子供が自立したら、これからは俺の時間は俺の物。ずっと我慢していた趣味に時間を割くのだ。熟年暴走族と言われようが、好きにバイクに乗る。好きにカスタムして、好きな時間に好きな場所へ行く。誰にもとやかく言われず一人気ままにバイクにまたがる。そもそもつるんでバイクに乗るのは好きではない。とにかく一人が好きだ・・・
北海道ではバイクは非常にぜいたくな趣味である。1年を通しては乗れないからだ。正味8か月。バイクの取得価格や税金等の維持費を乗車期間で割ると、非常にコスト高かつ採算性が悪い。しかし、自分自身が納得していて、生きる活力になるのであれば、そんなことはどうでもいい・・・稼働率を考えるか、至福をとるか・・人生の折り返し地点はとうに過ぎている。だから誰が何と言おうと導入したのだ・・・子供たちはお金よりも俺の体=事故を心配してくれているが、趣味とはそういうものではないのか?誰も、趣味に効率性や合理性、採算性など求めないだろう。風が冷たくなった今、老体に鞭を打ちながらも防寒対策を万全に積雪ギリギリまで存分に愛車を堪能しようと思うのだ。
会社に来れば「俺は一人が好きだから一人で仕事をする」というわけにはいかない。私の下では約30人ものスタッフが働いてくれている。そして採算性。私が属する資源リサイクル部は装置産業の典型で、設備投資の判断も私の重要な業務だ。全体を見て、いつ、何に、どのように投資に踏み切るか・・・リサイクルを促進するための設備や技術は年々進化するから、選択する側もその波に乗り遅れることなく判断しなければならない。稼働率は重要な判断材料の一つ。さらに、現在の状況、持続性、汎用性、ステークホルダーからのニーズ、そして何より資源循環に貢献できるかが投資に対する重要な判断ポイントだ。
・・・と、仕事モードでは考えるのだが、そもそも、何故こんなに一生懸命考えているのだろうか。バイクのカスタム計画を立てている時の心境と似ていないか。たしかに、大人数のチームで仕事をするのだが、投資計画は私の肩にかかっている。実は、資源循環に貢献するという至福に向かっているのか。お財布と相談しながらカスタムパーツを選ぶように、今日も予算に照らして設備や什器を比較検討する。